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Posted by ミリタリーブログ at

2024年11月20日

タニオコバM4A1の不調

注意!この記事で行われている加工を行う際は自己責任でお願い致します。特にデトネータースリーブを加工する際は予め予備パーツを用意しておく事を推奨致します。

タニオコバのモデルガンM4A1です。

ライフル系のモデルガンの中では過去最高の作動性を誇ると言っても過言ではないモデルガンとして有名です。箱だしで1マガジン30連射は当たり前、息をするように90連射をする様はまさに圧巻です。しかしそんなM4A1ですが最近再販された個体は箱だしで30連射が出来ない個体が多いと聞きます。自分も再販版を購入しているのですがやはりなかなか30連射出来ません。どうしても1、2発不発が出て止まってしまいます。旧型の個体ではなかった現象なので困っていました。旧型と新型を打ち比べなどをして不調原因を探っていた所何故か旧型と新型両方とも不調に陥り動かなくなってしまいました。
ここからが長い戦いの始まりでした。
まず新型、旧型の両方でフルロードするとカートリッジがチャンバーに正常に送り込めなくなりました。ボルトヘッドがボコボコになってカートリッジのリムを捉えられなくなり不自然な装填になっていました。当初は散々発火した旧型だけの問題かと思いましたが新型のボルトヘッドも同様に摩耗していました。
原因はトリガーガードとカートリッジにありました。タニオコバのM4A1は自己責任ですが様々な電動やガスガン用のアクセサリーパーツを付ける事が出来ます。私はM4A1のトリガーガードを2丁ともガスガンのストレートトリガーガードタイプに変更していました。

それにより本来のトリガーガードの厚みより小さくなってしまいマガジンとチャンバーの間にガタツキが発生していました。その結果フィードランプとマガジンの間の段差にボルトヘッドとカートリッジが一瞬サンドイッチ状態になった後に糾弾が行われるような状態になりボルトヘッドがボコボコになってしまいました。
次にカートリッジによる問題ですが、これはM4A1ユーザーであれば避けられない現象でカートリッジが度重なる発火の衝撃で弾頭側がハの字に膨れてしまうのです。

この時私のカートリッジは殆どが膨れている状態でした。この膨らみが糾弾の際ボルトヘッドと激しく擦れてボルトヘッドがヤスリがけされた様に摩耗されていました。
ボルトの摩耗が原因だとわかったのですぐにタニオコバにお願いしてボルトヘッドの交換とトリガーガードを純正パーツに戻しました。

そして新品になったボルトで試射をしてみましたがまだボルトがカートリッジを拾えずフィードジャムが起きてしまいます。マガジンを観察してみた所フルロードした際のカートリッジのリムの位置が下に落ち込んでいます。

これではボルトヘッドが新品でもカートリッジはチャンバーに送り込めません。この原因ですがまたしてもカートリッジの膨らみでした。全てのカートに膨らみがあるので装填した際正常な配列になっていないのは勿論、マガジン内部で膨らみ分摩擦が発生して弾上がりが弱くなっていました。
この問題の対処方はカートリッジの膨らみを矯正するかカートリッジを新しくするかの二択があります。今回は新品のカートリッジに交換しました。
カートリッジとボルトを新品にして再度試射してみました。
今度は糾弾不良が無くなり発火できる様になりました!
しかしやはり不発が起きて30連射が出来ません。そして新型のM4A1だけ何故か連射サイクルが旧型に比べて遅く安定しません。
分解して新型と旧型を比べてみた所ハンマーの形状が旧型に比べて肉抜きがなかったりリコイルバッファースプリングの長さが旧型に比べて長いなどの違いがありました。

また発火仲間の方からおそらくfピンの長さが変更されているのではないかという話も聞きました。これらの違いがどの様にして連射サイクルに影響するのかはハッキリとしていません。そこで分かる部分から調整していきました。
1、 本体ロアフレームを清掃する
発火仲間のM4A1ユーザーの中ではロアフレームを分解してもう一度組み立てたら正常に治ったという方がいました。ロアフレームはハンマー機構などが詰まっているので汚れなどは連射サイクルに影響します。

また新品でもモデルガンは工場出荷時に過剰にグリスが塗られている事が多くそれが悪影響を及ぼしている事も少なくありません。
ロアフレームを分解するのは面倒かつ元に戻せる自信がなかったのでフレーム内部を洗剤で洗って乾燥させました。
ロアフレームを洗浄して発火してみた所やはり内部の汚れが動きに影響していたみたいで動きにキレが出始めました。しかしまだ完全にはサイクルが安定せず不発が出ます。
2 、チャージングハンドルのグリスアップ
サイクルが安定しない事をタニオコバに問い合わせしてみた所ボルト上部とチャージングハンドルの噛み合う部分擦れてサイクルが安定しない事があるのでそこにオイルを入れると解消するとアドバイスを頂きました。
新型のM4A1は旧型に比べて発火した際チャージングハンドルが前後に動く現象が頻繁に起こっていました。本来発火の際にチャージングハンドルは動くはずないのでブローバックの動きを阻害しているのは間違いありません。
チャージングハンドルの内側にシリコンオイルを拭いてみました。


またフレーム内部のボルトと干渉しそうな部分にもオイルを拭いて発火した所連射サイクルがかなり安定して発火中もチャージングハンドルが動かなくなりました!後は不発だけです!
3 、デトネーターの調整
モデルガンの代表的な不発対策にはハンマースプリングの強化、fピンの延長、デトネーターの延長、スプリングの変更などがあります。今回はスプリングの変更ハンマースプリングの強化はせっかく良くなった連射サイクルがまた安定しなくなる可能性があるので調整は避けました。またfピンの延長はボルトが分解不可のため出来ません。結果残ったデトネーターの調整で不発対策を行いました。
M4A1の不発は何らかの要因でボルトのストローク量が足りなくなりハンマーの打撃タイミングがズレるのが原因で、デトネーターを調整して発火パワーをあげれば治るのではないかと発火仲間からアドバイスをもらいデトネータースリーブを削ってデトネーターの位置を僅かに前進させました。しかしこのままではデトネーターとインサートに隙間ができて発火の衝撃で元の位置に戻ってしまいます。なので隙間を埋めつつ固定された際に僅かに前進させるためOリングのスペーサーを入れました。


この加工をした状態で発火すると何と30連射は勿論60連射までいけました!

これです!これこそタニオコバM4A1の正しい姿です!
同様の加工を旧型にも行ったところこちらもかつての様な調子に戻りました!どうやらこの調整の方向性は間違っていなかったようです。

まとめ
今回初めてフルオート系の長物モデルガンを調整しましたが今までで一番大変でした。文字にしてみると意外とあっさりしていますが実際は半年以上調整してやっと動いた感じです。最も苦労したのが元々タニオコバのM4は過去にこんな不調を起こした事が殆どないのでインターネットや知人に聞いても調整内容の情報が全くなく完全に手探り状態で始めなければいけない事でした。その結果新しいパーツを買って交換などしていたら3万円程掛かってしまいました。
手探りでの調整は精神的にかなり疲れましたが今回それを乗り越えた事で何か大きな経験を得られたような気がします。
最後にこの拙い記事がM4ユーザーの何かの足しになれば幸いです。
皆様良きM4ライフを!  


Posted by 銀だら at 19:44Comments(0)モデルガン